従来のガラスのイメージと違い、温かみを感じる事ができるパートドヴェールガラス。
“パート・ド・ヴェール”とは、フランス語で「ガラスの練り粉」を意味し、粉末の色ガラスを石膏型に入れて加熱焼成する技法です。
透過光により様々な表情を見せる深い趣があり、量産が出来ないため、一点ものの高級ガラスとして古くから珍重されてきました。
その歴史は、古代メソポタミア文化(紀元前16世紀)に起源を発すると言われています。吹きガラスが発明(紀元前1世紀)されて以来、量産出来ないパートドヴェールは途絶え、長い間“幻の技法”となっていましたが、19世紀後半にフランスのアンリ・クロ(Henri Cros)がこの技法の復元に成功しました。
日本での歴史は浅く、昭和初期に小柴外一氏により開発され、同氏の死とともに一度消滅しましたが、昭和後期に再び普及し始めました。